カルチャーデザイン―インタービュー:「大静地域児童センター」カン・ヨンフン

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「グラフィックリポーターカン・ヨンフンに会う」

大静の子供とともに夢見るカン・ヨンフンの話

カルチャーリポーター:カン・クィウン


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「若者が暇そうに何してるの?」暑い日差しの中、ケヤキの下で団扇を扇いでいるお年寄り夫婦の一言。ここは「若い」親は仕事で忙しい「田舎」の大静邑安城里である。ここの平凡な日常を嘲弄しているかのように、子供の笑い声が外まで聞こえてくる大静地域児童センターを訪ねた。そこの子供たちが「先生」と呼び、自らは「グラフィックリポーター」と定義する青年がいる。イギリスのロイヤル・カレッジ・オブ・アートのグラフィックデザイン修士課程に在籍しながらも、大静の子供たちと向き合っているカン・ヨンフンさんに会った。

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大静地域児童センターにはフルートやピアノ教育のほかに人権平和教育などのプログラムもある。農作業、屋外活動、読書など子供が自らのイニシアチブで経験できるようなことも提供している。地域の子供たちが放課後に通う憩いの場を提供しているのである。

英語、数学などの学習支援もあるけれど、それを強いたりはしない。子供が勉強したいと望むときに、それを励ますくらいなのである。『子供たちが大人になったら、いろんな困難、悩み、葛藤に出会うでしょう。そんな時にどのようにそれに立ち向かうのか、そういう力を育てあげようと努めています。そしてその方法の一つとして、子供たちに読書に慣れ親しんでほしいのです』「成績」よりは「成長」をキーワードにして子供達を見つめているとカンさんは語る。

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そして実際に、カンさんは大静にある母方の実家に「育つ図書家」を設けて、子供たちのスペースにしている。読書を通じて子供達が「問題を解決していく方法」に触れてほしいと思ったからである。たとえそうだとしても、個人の資産を公共のものにするのは簡単なことではなかったはずである。『どんな場所であれ一人占めするよりは 人々に開かれてこそ、生き生きとしたものになるんじゃないでしょうか。空間というものはそうあるべきだと思っているのです』空間に対する確固たる哲学を持っていたので、困難なことも、あくまで乗り越えるべき過程にとどまった。

「育つ図書家」を作って子供達と仲良くなるにつれて「地元」とはパートナー関係になった。「育つ図書」を作った時も、ソウルの有名な家具デザイナーで江汀村の平和本屋も手掛けた大工さんチームだったんですが、そのチームと関係ができて作ってもらいました。その方たちはソウルの人で、こちらの地元の人とはつながりがなかったのですが、この作業をきっかけに接点ができたわけです。必ずしも地元の人じゃなくても(そういうことは可能)ですね」地元との連携は必ずしもその地元の人でなくてはならないというわけではなかったのである。「人」を媒介に地域間の繋がりができて、実に大きなシナジー効果が発揮された例である。

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子供たちを通じて家族ともつながり、そこに地元の才能のある人々が加わるという小さい変化が興味深い。地域と子供達、そしてコミュニティがつながる接点を作っていくこと、その過程において自分なりの哲学の下で公共の領域を注視すること、これが「カルチャーデザイナー」の 役どころではなかろうか。文章でなくデザインという視覚的な効果で、社会的少数者、弱者の話を記録していきたいと語るカンさん。「グラフィックリポーター」と自らを定義する彼の夢を応援したい。

*自分の情熱や才能をクリエイティブに実現して、共感、相互理解、公益、分かち合いの文化を作っていく人々を、私たちは「共に幸せな社会をデザインしてくクリエイティブな市民(カルチャーデザイナー)」と呼んでいます。