済州の中心で映画を叫ぶ

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文化イベントー<済州映画祭>
ヘッドライン:第12回済州映画祭、観客と共に映像文化の未来を語る


11月12日、過ぎ行く秋を感じる中で済州映画祭が12回目の幕を開けた。「国政介入事件で大変な時に映画祭を開くこととなり心が重いです。」という言葉で始まった済州映画祭の開幕式。「国とは何か」について苦悩する最近の私たちに、開幕作品『私は、ダニエル・ブレイク』には多くのことを考えさせられた。イギリスの社会保障制度に抵抗する一人の人間、ダニエル・ブレイクと彼に寄り添う人々のストーリーを通じて、観客はその貧しさに悲惨さと絶望を感じて涙を流した。

今回の済州映画祭では、多彩なプログラムが行われた。「韓国映画の風景」というプログラムでは、韓国社会の姿を描いた5作品が上映された。『デルタ・ボーイズ』、『アイランド・オブ・シャドウ』、『バッカス・レディー』などの作品を通して、韓国社会の深いところにある矛盾と痛みを共有することができた。特に、『バッカス・レディー』で主役を演じた女優のユン・ヨジョンさんがイベント会場を訪問して観客に感動を与えた。

残念なこともあった。「キム・ジウン特別展」では、クルーズ船上イベントが予定されていたが、中国上海の海上で濃い霧が発生したため、クルーズ船がイベントに合わせて入港できずキャンセルとなったのだ。しかし済州市のあるカフェで行われた「キム・ジウンマスタークラス」には多くの道民が参加して盛り上がった。映画に関する話はもちろん、出演した俳優の話など10個のキーワードを中心に虚心坦懐な会話が続いた。「キム・ジウン特別展」では、最近公開されて700万人以上の観客を魅了した『密偵』や『箪笥』、『甘い人生』が上映され、最終日までキム・ジウン監督の特別なストーリーが紹介された。

済州の映像文化産業発展のための特別なセミナーも開かれた。「美しい済州映画図書館のためのセミナー」では、映画関係者の事例発表とフリートークが行われた。市民が力を合わせて映画を見る権利を主張し、幸せと夢のある映画館を作っていく「映画市民運動」が必要だという意見が大きな支持を得た。

一方で、「済州シネアイランド」創立20周年を記念して、「ヒッチコックは映画だ」というテーマで「アルフレッド・ヒッチコック特別展」も開かれた。観客が映画の内容について理解できるように、映画評論家のキム・ソンウクさんによるアルフレッド・ヒッチコックや各作品に関する解説も行われた。参加者のクォン・ミンソンさん(女性、63歳)は「白黒テレビの時代、週末の名作映画番組でしか見たことのない映画を、大型スクリーンと鮮明なカラーで見るとまったく違う作品に見えた。どんなに時が経っても変わらないすばらしさがある。名作はやはり名作だ」と感想を述べた。

また今回の映画祭では、「東アジア文化都市スペシャルパノラマ」という特別プログラムも行われた。済州と奈良、そして中国の姿を描いた6作品が上映された。その中で海女の一生をテーマとした『ムルスム』は、監督や撮影監督、映画に登場する海女の方々も一緒に鑑賞することでとても意義深い上映会となった。「ムルスム」とは「水の息」という言葉で、海女が海の中で欲に目がくらんだ瞬間、息を我慢できず水を飲んでしまい死に至ることを意味する。コ・ヒヨン監督は「生と死の狭間で生きる海女の姿を映像に収めながら、私の欲望の海を見つけた」と述べている。また、『ウォーム・アフターオール』と『チョコレートケーキと法隆寺』という作品を通じて観客に伝えられたメッセージと感動は、上映後に行われた監督との対話によってさらに深く刻まれた。

11月12日から19日まで開催された済州映画祭は、最後に閉幕作品『カム・トゥゲザー』を上映し、幕を閉じた。映画は、監督・俳優・観客が一つになったときに初めて輝く「パートナーの芸術」だ。一つの名作がどれほど多くの人々にインスピレーションと感動を与え、社会を見つめ直すきっかけとなるのか、改めて考えさせられる一週間であった。

 

記事作成日:2016年11月19日(取材日:11月12日~11月19日)
カルチャーリポーター:イ・ミンギョン(キム・ミリャン、パク・キョンホ、パク・ソヒ、オ・スジン、オ・ヨンスク)